ポピュラーミュージックを演奏する上で欠かせない「コード」。今日はコードについてのお話です。ギターやピアノ、キーボード、アコーディオンなどの鍵盤楽器はもちろんのこと、ボーカルやベース、その他の楽器でもコードの知識はあった方が音楽的自由度が高まります。音楽人の共通言語と言えますし、コードの仕組みを理解できると楽曲の構成が今より理解出来て音楽がさらに面白くなります。
音楽は、メロディ、ハーモニー、リズムなど様々な要素が重なり合って作られています。和音とは、ハーモニーのことで皆さんがよく使うコードのことです。2つ以上の高さの異なる音が同時に鳴る響きをいいます。ここでは基本となる三和音を説明します。
「根音(ルート)+第3音+第5音」のまとまりを三和音(トライアド・コード)と呼びます。
「ドレミファソラシド」の中から、ある音を「根音」とします。そして根音から数えて3番目の音を「第3音(サード)」、5番目の音を「第5音(フィフス)」と呼びます。
三和音(トライアド・コード)には以下の5つの種類があります。
「増三和音(オーグメント・トライアド・コード)」
これらは和音を構成する第3音、第5音がそれぞれ変化することによって分類され、「明るい響き」「暗い響き」「不思議な響き」「不安な響き」など個性的なサウンドに変わります。
ポピュラーミュージックでは、和音を「コードネーム」で表します。コードネームとは和音の省略記号のことです。皆さんがすでにお馴染みの「C」、「Am」と言ったものですね。譜面の量を少なくし、読みやすくするためにヴォイシング(和音の並び方)や曲のフレーズを指定する以外はコードとメロディのみの譜面が多いです。演奏者の裁量に任せますってことなのです。
実際に目で見て耳にすると理解しやすいと思いますので、それぞれ動画をアップしました。
ハ長調の主音(ド)を根音にした長三和音を「C major」と言います。コードネームは「CM」「C△」「C」と書きます。
頭のアルファベットの大文字は根音を表し、「M」「△」は長三和音の略です。
ハ長調の主音(ド)を根音にした短三和音を「C minor」といいます。コードネームは「Cm」「Cー」と書きます。
頭のアルファベットの大文字は根音を表し、「m」「ー」は短三和音の略です。
短三和音の第5音を半音下げた和音を「減三和音(ディミニッシュ・トライアド」と言います。根音がドの場合は「C diminish」と言います。コードネームは「Cdim」「Cmb5」「Cm-5」と書きます。
頭のアルファベットの大文字は根音を表し、「dim」「b5」「-5」は減三和音の略です。
ポピュラーミュージックでよく使われる和音です。長三和音の第3音の代わりに第4音を用いた和音を「4度掛留和音(サスフォー・コード」と言います。第5音が変化したと間違えて覚えないように注意してください。根音がドの場合は「C suspended 4th」と言います。コードネームは「Csus4」と書きます。
頭のアルファベットの大文字は根音を表し、「sus4」は4度掛留和音の略です。
いかがでしょうか?目に見ることのできない音ですが、「明るい響き」「暗い響き」「不思議な響き」「不安な響き」などの和音にはそれぞれ個性的な表情を持っています。その表情をセンス良く組み合わせることでカッコいい曲が作られているんです。次回はもう少し進んでセブンスコードについても説明したいと思いますので、ここまでを各自復習してくださいね!
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次に、少し進んで7の和音(四和音、セブンスコード)のお話です。各三和音の根音から数えて7度上の音をさらに積み上げると7の和音(四和音、セブンスコード)が出来ます。7の和音には以下の8種類があります。
「短3長7の和音(マイナー・メジャー・セブンス・コード)」
「減5短7の和音(マイナー・セブンス・フラットファイブ・コード)」
「減7の和音(ディミニッシュ・セブンス・コード)」
「増7の和音(オーグメント・メジャー・セブンス・コード)」
「属7の4度掛留和音(セブンス・サスフォー・コード)」
では、それぞれの構成音を分析してみましょう。
ハ長調の主音(ド)を根音にした長7の和音を「C major 7th」と言います。コードネームは「CM7」「CMaj7」「C△7」です。頭のアルファベット大文字は根音を表し「M7」「Maj7」「△7」は長7の和音の略。都会的で繊細な響き。
ハ長調の主音(ド)を根音にした属7の和音を「C Dominant 7th」と言います。コードネームは「C7」。頭のアルファベット大文字は根音を表し「7」は属7の和音の略。明るい中に暗い響きを持つ。調性を決める上で重要な役割を持つ。
ハ長調の主音(ド)を根音にした短7の和音を「C minor 7th」と言います。コードネームは「Cm7」「C-7」。頭のアルファベット大文字は根音を表し「m7」「−7」は短7の和音の略。7度の音を長7度と間違えないように注意しましょう。暗い響き。
ハ長調の主音(ド)を根音にした短3長7の和音を「C minor Major 7th」と言います。コードネームは「CmM7」「Cm△7」「C-△7」。頭のアルファベット大文字は根音を表し「mM7」「m△7」「-△7」は短3長7の和音の略。短7の和音との違いは7度の音が長7度になっている点です。非常に間違いやすいのでしっかり区別できるようにしましょう。暗いのか明るいのか両方の側面を持つパンチのある響き。
ハ長調の主音(ド)を根音にした減5短7の和音を「C minor 7th(b5)」←( )はフラット・ファイブと言います。別名「ハーフディミニッシュ」とも言います。コードネームは「Cm7(b5)」「C-7(b5)」「Cø」。頭のアルファベット大文字は根音を表し「m7(b5)」「-7(b5)」「ø」は減5短7の和音の略。暗く不安定な響き。
ハ長調の主音(ド)を根音にした減7の和音を「C diminished 7th」と言います。コードネームは「Cdim7」「C⚪︎7」。頭のアルファベット大文字は根音を表し「dim7」「⚪︎7」は減7の和音の略。「dim」「⚪︎」だけでも7thの音を含んで解釈されることが多いです。減5短7の和音との違いは7度の音が減7度になっている点です。この2つの和音も非常に間違えやすいのでしっかり区別できるようにしましょう。強烈に不安定な響き。使い方によってドラマチックなコード展開を演出できる。
ハ長調の主音(ド)を根音にした増7の和音を「C augmented 7th」と言います。コードネームは「CM7(#5)」「CM7(+5)」「C△7(#5)」「C△7(+5)」。頭のアルファベット大文字は根音を表し「M7(#5)」「M7(+5)」「△7(#5)」「△7(+5)」は増7の和音の略。単体ではクセがきつくなかなか使いにくいがセンス良く使うととってもオシャレな響き。
ハ長調の主音(ド)を根音にした属7の4度掛留和音を「C 7th suspended 4th」と言います。コードネームは「C7sus4」。頭のアルファベット大文字は根音を表し「7sus4」は属7の4度掛留和音の略。4度掛留和音と同様にポピュラーミュージックでよく使われる和音です。4度掛留和音に緊張感が加わり、よりドラマチックな効果を生み出します。
いかがでしたか?
一つのコードだけでも複数の表記があり読み方も分かりにくく正直混乱しますよね。表記が統一されていないため書き手によって様々です(泣)ちなみに、私の場合はメジャー7thは「△」で表記します。理由は演奏中にパッと譜面を見たときに大文字「M」なのか小文字「m」か一瞬でも迷いたくないからです。コードはスムーズに弾けるまでは時間がかかりますが時間コスパのメリットが大きいので是非習得することをお勧めします。初めて見る楽譜でも瞬時に音にすることができ、メロディとハーモニーのバランスをイメージしやすくなります。また、複数の楽器とアンサンブルする場合でも意思疎通がとても楽です。
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